なら学研究会

奈良女子大学なら学研究センターのワーキンググループ「なら学研究会」の活動報告。奈良の研究史・研究者の回顧・再評価をおこなっています。

【0】『なら学研究報告』を創刊しました

このたび、奈良女子大学なら学研究センターでは紀要『なら学研究報告』(Journal of NARA Studies)を創刊しました。「なら学」に関する研究論文や資料紹介、書評などを掲載していきます。

奈良女子大学には部局ごとに紀要を発行していますが、そのなかで『なら学研究報告』は以下のような特徴を持っています。

  1. 字数の上限を設定しない。
  2. 締切を設定しない。
  3. 1号1論文の不定期刊行。
  4. ウェブジャーナル形式とし、紙媒体は発行しない。

(1)は、大部の構想や大部の資料を1号のなかで掲載することを可能にするための措置です。(2)は、締切があるから論文が書けるという部分は認めつつも、(1)を納得のいくかたちで提出してほしいという思いからの措置です。(1)と(2)によって論文間のアンバランスが発生しますが、1号1論文とすることでそこをクリア。刊行時期を固定しないことで提出ごとに作業に入ることができる、フットワークの軽い媒体としました。これによって、締切や入稿直前の、編集委員会による執筆者への連絡や調整という業務負担も減りましたし、縦組・横組の指定フォーマットにのっとって執筆者にリポジトリへの入稿原稿を作成してもらうことで、外注負担もなくしました。むろん、編集委員会による校正・校閲はおこないますが。これらをふまえ、『なら学研究報告』はウェブオンリーのジャーナルとし、紙媒体を作製しないことにしたのです。

なぜ、いま、創刊したのか。

それはひとえに基礎研究や基礎データをきちんと提示・共有するためです。なんらかの発想や応用は基礎データから始まるわけですし、その後の議論の重要な土台となるものです。基礎研究なくして学知は成立しません。また、史資料の保管・提示・研究状況に地域差はありますが、県主導による『県史』が発行されていない本県にあって、基礎的な史資料の調査、翻刻、検証と、それを提示して共有できる媒体は必須です。

本誌は誌名のとおり、文理を問わず、「なら学」に関するあらゆる論考や史資料が載ることになります。リポジトリへのアップロードの際は、なら学研究センターやなら学研究会のホームページで告知していきます。

どうぞよろしくお願いいたします。