なら学研究会

奈良女子大学なら学研究センターのワーキンググループ「なら学研究会」の活動報告。奈良の研究史・研究者の回顧・再評価をおこなっています。

花岡大学旧蔵史料調査に向けて

奈良県は吉野郡大淀町佐名伝に所在する浄迎寺に寺岡(奈良女子大学)と磯部(奈良女子大学)、松田度氏(大淀町教育委員会)の3人でお邪魔し、花岡大学旧蔵史料を見せていただきました。

浄迎寺

花岡大学は、この浄迎寺の花岡大雄の次男として生まれました。大学の旧蔵書類は龍谷大学の花岡文庫に収められていますが、浄迎寺には大学宛の書簡や寄贈書籍、大雄宛の書簡類が遺されており、本日はそれらを拝見しました。

調査前なので詳細はまだ書けませんが、前登志夫からの書簡がごっそりとあり、磯部の大学院演習でおこなっている横田俊一宛前登志夫書簡とあわせて読むことで、前や大学の創作営為のみならず、戦後奈良の文芸交流、ひいては県外との諸交流も含めて明らかになるのではないかと期待させるものでした。

フィルム類。「清願寺のことも」「かたすみの満月」など。どんな内容なのでしょうか。

このほか、あの作家やこの作家など著名人からの書簡や寄贈署名本、出版元とのやりとり書簡、ファンレターなどが多々ありました。きちんと整理したうえで、なんらかのかたちで報告したいと思います。

貴重な史料をお見せくださり、また研究調査をご快諾いただいた花岡家のみなさまに感謝申しあげます。

浄迎寺の松。司馬遼太郎が大学を訪ねてきたとき、この松をスケッチしたのだとか。