なら学研究会

奈良女子大学なら学研究センターのワーキンググループ「なら学研究会」の活動報告。奈良の研究史・研究者の回顧・再評価をおこなっています。

【30】近世奈良町木辻遊廓の歩み

  • 題目:近世奈良町木辻遊廓の歩み
  • 講師:井岡康時(奈良大学教授)
  • 日時:2020年10月25日(日)14:00〜16:00
  • 開催:zoomによるオンライン開催
  • 参加:13名

前回に引き続いてオンライン開催。画面越しに見、聞き、話すことにも慣れてきたころで、違和感なく楽しむことができた。

報告では、下記井岡論文をふまえ、かつ資料にもとづきながら木辻遊廓の歴史を概観し、その後、参加者の興味関心に沿っての質疑応答となった。

興味深かったのは、木辻が崖上にあるという立地。同町の上、鳴川町はその名のとおり川が流れており——といっても小さな川で、このあたりについては橋本都耶子「鳴川の道」を参照——、京終から橋本町までの直進する途中にあるにもかかわらず、こうした環境が自然の堀「境目」と機能していたのではないかとのことであった。

この周辺に中将姫伝承が多いのはなぜかという質問も出た。答えは出ず、さまざまな意見が交わされたが、このあたりもまた考えていきたいところである。

研究会終了後、東木辻町を散策した。これまで何度か歩いたところではあったが、研究会後とあって、これまでと見える風景も異なっていた。写真がなぜかアップできなかったので、参考までに磯部(研究会メンバー)がSNSに投稿したものをご覧くだされ。